声帯とは
声帯とは、咽頭の左右にあるヒダ状の組織を指します。筋肉や靭帯で構成されており、表面はまわりと同じように粘膜で覆われています。
私たちは、この声帯を動かすことで空気を震わせて、声を発しています。声を出したり、歌ったりする時に欠かせない器官と言えます。
発声のしくみ
咽頭の筋肉によって声帯を縮めたり広げたり、前後に動かしたり厚みを変化させたりすることで、そこを通る呼気を震わせ、声を発生させます。またそこに呼気の強弱、口腔・唇の変形などを合わせることで、私たちはさまざまな種類の声を出すことができているのです。
声帯ポリープとは
声帯ポリープとは、声の酷使、喫煙などによってできる声帯のポリープのことを指します。
小さなものであっても、声帯の働きが低下します。声が枯れたり、長時間話すことが難しくなったりします。
アナウンサー、歌手、教師、政治家など、普段から声を使う仕事をしている人などによく見られます。また、普段はそうでなくても、カラオケ、音楽ライブ鑑賞、スポーツの応援などで大声を出した後に発症する人もいます。
初期症状はある?症状チェック
- のどの違和感、詰まった感じ
- 声枯れ
- 声が低くなる
- 声が途切れる
- 飲み物、唾を飲んだ時のしみるような痛み
- 長時間喋れない、呼吸困難
初期は、のどの違和感・詰まった感じが見られます。
その後声枯れなどの症状が現れ、重症化した場合には呼吸困難に至ることもあります。
原因
声帯の酷使を主な原因とします。
声帯を使いすぎる(声を出し過ぎる)とまず声帯が充血し、少量の出血が起こります。血の塊ができ、その状態で声帯を使い続けることで、ポリープが発生します。
その他、喫煙や飲酒も、悪化因子となります。
検査・診断方法
ファイバースコープで声帯を観察し、診断します。
確定診断のため、生検・病理検査が必要になることもあります。
声帯ポリープは放置して
治ることもある?
これまで通りの声の出し方を続けている場合には、自然に治る可能性は低くなります。
少なくとも、声帯の安静が必要です。そのため、声を出す仕事についている人の場合は、その仕事を続けながら自然に治るという可能性はさらに低くなります。
治療方法
薬物療法
カラオケ、音楽ライブ鑑賞、スポーツ観戦などで大声を出したことが原因である場合には、抗生物質・ステロイド・消炎剤などによる薬物療法で改善が期待できます。
声帯の安静・発声方法の改善
大きな声はできるだけ出さないようにして、声帯の安静を保ちます。
また、声帯に負担のかからない声の出し方の指導を行います。
生活習慣の改善
飲酒、喫煙は症状の悪化を招くため、控えます。
手術
保存的治療で十分な効果が得られない場合には、手術でポリープを切除します。