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舌下免疫療法

舌下免疫療法とは

舌下免疫療法とは体質を変化させることで花粉症を根本から改善する方法として、従来は皮下免疫療法という方法が行われていました。これは皮膚にアレルギーの原因物質(アレルゲン)を少しずつ口内の粘膜の投与することで、徐々に体をアレルゲンに慣れさせるものです。しかし、十分な効果が得られるまでに2~5年程度かかるため、敷居の高い方法であったとも言えます。
一方、舌下免疫療法は皮下免疫療法のような皮下注射ではなく、治療薬を舌の下に滴下し、2分間保持した後に飲み込むものなので、痛みなどの負担はありません。また、皮下免疫療法よりも副作用が少ないとされています。舌下免疫療法は2014年10月より保険適用となっており、治療を受けられた方のうち約60%の方で症状の改善が期待できます。
ただし、舌下免疫療法はダニとスギ花粉の花粉症に対しての治療方法であるため、他のアレルゲンが原因の場合は十分な効果が期待できないと言えます。また、症状が重篤な方や、複数のアレルギー症状を持つ場合も十分な効果が期待できないと言えます。

舌下免疫療法はこんな方に
おすすめです

  • ダニやスギ花粉による花粉症の症状がひどく、薬の服用だけでは抑えられない方
  • 眠気など副作用のある薬の服用や、点鼻薬の使用を止めたいとお考えの方
  • 注射による痛みが苦手な方
  • 長期間、効果が期待できる治療を受けたいとご希望の方

など

舌下免疫療法の適応

  • 5歳以上の方
  • アレルギー検査でスギあるいはダニが原因の方
  • 花粉の飛んでいない時期を含めて、2年以上の長期間の治療を受ける意志がある方
  • 少なくとも1週間から1ヶ月に1回、外来受診が可能である方

舌下免疫療法の非適応

  • スギやダニが原因でない方
  • 重症な気管支喘息の方
  • がんや重症な心疾患など全身的に重篤な方
  • 妊娠している方
  • 感染症にかかられている方

舌下免疫療法の開始時期

舌下免疫療法の開始時期舌下免疫療法は最低でも3年程度は継続しなければいけませんが、治療を開始して2~3ヶ月程度で効果が実感できる場合があります。また、治療開始直後と花粉飛散シーズンに副作用が出やすくなりますので、スギ花粉の飛散時期が過ぎた6月から12月までが新規治療に最適な時期となります。なお、早期に治療を開始した方が翌年のスギ花粉による花粉症の症状が抑えられる可能性が高まりますので、できるだけお早目にご相談されることをおすすめします。

舌下免疫療法の流れ

1診察

診察を受けて頂き、アレルギー検査を実施します。その結果を確認した上で、舌下免疫療法が適応であるかどうかを診断します。

2初回のアレルゲン投与

初回のアレルゲン投与はクリニックで行います。投与した後、副反応がないか30分程度、経過観察します。

3治療開始後7〜14日間

1日1回、アレルゲンを含む治療薬を舌の下に滴下し、2分間保持した後に飲み込みます。その後、5分程度はうがいや飲食をお控えください。治療開始後7〜14日間は、アレルゲンの量を徐々に増量して体に慣れさせていきます。

4治療開始後8〜15日目以降

治療開始後8〜15日目以降からは、毎日同量の治療薬を投与します。これを3~5年程度、継続して頂きます。通院のペースは1ヶ月に1回程度です。