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外耳炎・内耳炎

耳の構造について

耳は、外に出ている部分(普段見えている部分)である「耳介」、外から見て耳の穴が始まる部分となる「外耳(道)」、鼓膜のすぐ内側の「中耳」、三半規管よりも奥の「内耳」で構成されています。
外耳で起こる炎症を「外耳炎」、中耳で起こる炎症を「中耳炎」、内耳で起こる炎症を「内耳炎」と言います。

外耳炎

外耳炎耳の穴の始まり~鼓膜の手前を指す外耳で起こる炎症です。
外耳の皮膚は傷つきやすいため、感染や炎症も起こりやすくなっています。

症状

  • 耳のかゆみ、痛み
  • 耳垂れ
  • 難聴
  • 耳閉感
  • 耳鳴り
  • 発熱

かゆみ・痛みが主な症状となります。
炎症・腫れがひどくなると、耳垂れ、難聴、耳閉感、発熱などの症状が見られるようになります。

外耳炎の痛みのピークは?

膿んでしまうと、睡眠が妨げられるほど強い痛みが出ることがあります。
また耳を触ると、痛みが増します。

原因

耳掃除、爪などで外耳の皮膚が傷つき、そこで細菌感染が起こるケースがほとんどです。
その他の原因としては、プールや海で汚れた水が耳に入ることが挙げられます。

治療方法

外耳炎の治療で大切なのは、治療する時を除き、耳を触らないことです。
気になるでしょうが、しばらく我慢してください。触りたくなる原因となるかゆみについても、お薬でできる限り抑えます。

外耳の清掃・消毒

ご来院時に行う処置です。
溜まった膿、分泌物などをきれいに取り除きます。

薬物療法

抗生物質や酢酸の点耳薬、ステロイド軟膏の外用などが基本となります。
炎症が広範囲に及ぶ場合など、抗生物質や抗アレルギー薬の内服を検討します。
痛みが強い場合には、痛み止めを処方します。

治るまでどれくらい
かかる?

平均して、治療期間は10日~2週間ほどです。炎症が強く現れている場合には、もう少しかかります。
なお、他の治療でも言えることですが、薬物療法は医師の指示がある限り継続し、自己判断で中止しないようにしてください。細菌が残ってしまうと、逆に治療が長引いてしまいます。

予防

原因のほとんどが耳掃除にあるため、予防は比較的簡単です。
耳掃除は、多くの方にとってまったく不要なものと言われています。耳にも自浄作用があり、耳垢も少しずつ外に排出されているためです。
耳掃除をする場合も、強く引っかかないようにしてください。竹などでできた硬い耳かきではなく、やわらかい綿棒を使うのがおすすめです。また頻度も、多くて月に1回程度としてください。
それ以上の頻度で耳掃除をしないと耳垢が溜まってしまう、かゆくてかゆくて頻繁に耳掃除をしないと気が済まないという場合には、他の病気も疑われます。

内耳炎

内耳炎耳の一番内側、内耳で起こる炎症です。
内耳には身体のバランスをとるためのセンサーである三半規管、音を感じるセンサーである蝸牛などがあり、内耳炎になるとこれらのセンサーが正しく機能しなくなります。
難聴、耳鳴り、耳閉感、めまいなどの不快な症状が続きます。

症状

  • 難聴
  • 耳鳴り
  • 耳閉感
  • めまい、ふらつき
  • 吐き気、嘔吐

めまいは、グルグルと回る回転性めまいが見られることが多くなります。

原因

真珠腫性中耳炎・好酸球性中耳炎などの炎症が内耳へと拡大して発症するケース、ウイルス・細菌の感染によって発症するケースが多くなります。

治療方法

ステロイド、抗生物質を用いた薬物療法法が中心となります。
真珠腫性中耳炎・好酸球性中耳炎が原因となっている場合には、それぞれの中耳炎に対する治療も必要になります。真珠腫性中耳炎の場合には、手術も検討されます。

予防

原因の1つとなる中耳炎にならないこと、なった時にはできるだけ早く治療を受けることが、内耳炎のリスクを下げることにつながります。そして中耳炎にならないためには、風邪をひかないこと、風邪をひいた時に鼻水をすすらないこと(病原体の排出を促すこと)が大切になります。
つまり突き詰めると、手洗いやうがい、食事・運動・睡眠などの生活習慣の改善が重要になると言えます。