TOPへ

鼓膜形成術(慢性中耳炎)

鼓膜形成術とは

鼓膜形成術とは鼓膜形成術とは、鼓膜に開いた孔を塞いで再生させる手術です。鼓膜穿孔のまわりをレーザーで新鮮化した後、新しい鼓膜を作るための組織として耳介後部の皮下組織を少しだけ採取して孔に貼り付けます。鼓膜が再生されるまでに通常、数週間程度かかりますが、すぐに聞こえも回復するので日常生活にはほとんど支障はありません。
従来では鼓膜穿孔を塞ぐためには、耳介後部を切開し鼓膜を全部剥離した後、側頭骨筋の筋膜を一部採取して自家移植するといった大がかりな処置が必要だったため、2週間以上の入院が必要でしたが、「接着法」と呼ばれる新しい鼓膜形成術では局所麻酔により日帰りで鼓膜形成術を行うことが可能となりました。手術時間は麻酔も含めて30分程度です。

鼓膜形成術の適応

鼓膜形成術の適応鼓膜形成術は、鼓室に異常がなく、鼓膜穿孔を閉鎖することで聴力の改善が見込める場合に行われます。慢性中耳炎のため常に鼓膜に孔が開いている場合や、孔が大きいため鼓膜穿孔閉鎖術では塞ぐのが難しい場合、鼓膜チューブ留置術の孔が塞がらずに残っている場合、外傷性鼓膜穿孔がある場合などが適応となります。

鼓膜形成術の流れ

1局所麻酔

鼓膜に小綿玉をあてて局所麻酔を施します。

2トリミング

レーザーなどにより、鼓膜穿孔周辺にある不良上皮を新鮮化します。

3皮下組織採取

新しい鼓膜を作るための組織として局所麻酔後、耳介後部の皮下組織を採取し、鼓膜穿孔に合うように形を整えます。

4穿孔閉鎖

採取した皮下組織を、フィブリン糊という人体に使用できる接着剤で鼓膜穿孔部に張り付けて閉鎖します。

5手術終了

手術時間は麻酔も含めて30分程度です。鼓膜が再生されるまでに通常、数週間程度かかりますが、すぐに聞こえも回復するので日常生活にはほとんど支障はありません。
術後、1~2週間に1回のペースで通院して頂き経過観察します。ごく稀にめまいや耳鳴り、耳出血などが起こる場合がありますが、一過性のものなので心配はありません。