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みみの病気・治療について

中耳炎

中耳炎とは

中耳炎とは内耳とは、外耳と内耳を繋ぐ空洞のことで、その中にある耳小骨(ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨)と呼ばれる小さな骨と、外耳と中耳を隔てている鼓膜とが外部からの音を増幅させて内耳に伝える役割を担っています。
中耳炎とは、この内耳に細菌などが侵入して起こる炎症のことで、耳の痛み、耳垂れ、発熱、難聴、めまいなどの症状を引き起こします。生後半年から1~2歳までをピークに、5歳程度の小さなお子様までに多くみられ、それ以降は抵抗力が付いて減少していきます。
中耳炎には主に「急性中耳炎」「滲出性中耳炎」「慢性中耳炎(慢性化膿性中耳炎)」「真珠腫性中耳炎(先天性・後天性)」「好酸球性中耳炎」などの種類があり、それぞれで現れる症状や治療方法などは異なります。

急性中耳炎

中耳炎の代表的なもので、耳管の未発達な乳幼児によくみられ、多くの場合、風邪を引いた時に細菌やウイルスが鼻から耳管を通って中耳に侵入することで炎症が起こります。急性中耳炎は放置すると慢性中耳炎や滲出性中耳炎に進行したり、再発を繰り返したりする恐れがありますので、きちんと治療を受けて完治させるようにしましょう。

主な症状
  • 耳垂れ
  • 耳痛
  • 発熱
  • 難聴
  • 耳がつまる

など

治療方法

軽症であれば薬を服用しなくても治る場合も多いのですが、中等度以上の場合には抗菌薬を服用して症状を改善に導きます。投薬治療で十分な改善がみられなかったり、鼓膜が腫れたりしている場合には、鼓膜切開術を行って排膿することもあります。
大阪市旭区の泉川クリニックでは、日帰りで「鼓膜切開術」を受けて頂くことができます。

滲出性中耳炎

こちらも中耳炎の代表的なもので、主に急性中耳炎が悪化することで鼓室(鼓膜の内側)に溜まっていた膿が滲出液となって残ることで起こります。耳痛や耳垂れのようなはっきりとした自覚症状が現れにくく、放置すると永続的な難聴を引き起こす恐れがありますので注意が必要です。 お子様に多くみられ、乳幼児期のお子様が発症した場合には痛みなどの症状がないため、保護者の方が「返事が遅い」「耳をよく触る」「集中力が低下した」などの異変に気づいてあげる必要があります。

主な症状
  • 難聴
  • 耳がつまる
  • 耳鳴り
治療方法

薬物療法や吸入(ネブライザー)などによって鼻と喉の治療を行います。また、耳管に空気を送ることで溜まった滲出液を排出させる通気療法を行います。 これらの治療を繰り返しても十分な効果が得られない場合には、鼓膜に小さな穴を開けて滲出液を排出させる鼓膜切開術を行うこともあります。それでも再発を繰り返すようであれば、鼓膜にチューブを挿入し、常に滲出液を排出させて中耳を換気する鼓膜チューブ留置術を行います。 大阪市旭区の泉川クリニックでは、日帰りで「鼓膜切開術」及び「鼓膜チューブ留置術」を受けて頂くことができます。

慢性中耳炎
(慢性化膿性中耳炎)

急性中耳炎が悪化して鼓膜が破れたまま慢性化し、耳垂れが継続的に排出されることで難聴や耳鳴りなどの症状が現れます。急性中耳炎のような痛みはほとんどありませんが、急性化膿すると強い痛みが発生する場合があります。
鼓膜の穴が慢性化しているため、外耳を通じて細菌感染してしまい中耳炎が治りにくくなります。

主な症状
  • 耳垂れ
  • 難聴
  • 耳鳴り
  • 耳痛

など

治療方法

薬物療法により炎症をコントロールする保存的療法のほか、パッチ(人工膜で鼓膜の穴を閉鎖する方法)を行って聴力が改善された場合には、鼓膜穿孔を塞ぐ鼓膜穿孔閉鎖術を行い、改善されない場合には鼓膜形成術を行います。
大阪市旭区の泉川クリニックでは、日帰りで「鼓膜穿孔閉鎖術」及び「鼓膜形成術」を受けて頂くことができます。

真珠腫性中耳炎
(先天性・後天性)

鼓膜の一部が奥に入り込み、その窪みに耳垢が入り込んで増殖し塊(真珠腫)ができる疾患です。その真珠腫に細菌が感染すると炎症を起こし、特殊な酵素が産生して周囲の骨を破壊しながら大きくなっていきます。中耳炎の中でも重症度が高く、先天性のものと後天性のものとに分けられます。
耳垂れや膿が出るなどの症状のほか、進行すると難聴や耳鳴り、めまい、顔面神経麻痺などを招く恐れがあります。

主な症状
  • 耳垂れ
  • 膿が出る
  • 難聴
  • 耳鳴り
  • めまい
  • 顔面神経麻痺

など

治療方法

真珠腫性中耳炎と診断された場合、原則として外科的処置により真珠腫を摘出する必要があります。その後、破壊された骨を再建するために鼓室形成術が行われます。

好酸球性中耳炎

中耳の粘膜に白血球の1つである好酸球が中耳粘膜から中耳腔に浸潤し、固形のゼラチン状の滲出液が溜まる中耳炎です。主に難聴や耳鳴りなどの症状が現れます。難治性の中耳炎で、多くの場合、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、気管支喘息に合併して発症します。

主な症状
  • 難聴
  • 耳鳴り
  • めまい

など

治療方法

薬物療法で好酸球の浸潤を抑えます。ただし、再発することも多いので、中耳の洗浄や鼓膜チューブ留置術などを長期的に行う必要があります。

外耳炎

外耳炎とは

外耳炎とは外耳道の皮膚が何らかの要因で傷ついたり、細菌に感染したりして炎症が起こる疾患です。皮膚が傷つく主な要因として、耳かきや綿棒による清掃が挙げられます。子供から成人まで幅広い年代にみられ、治療後、患部を掻いてしまい再発を繰り返すケースも少なくありません。

主な症状

  • 耳が痒い
  • 耳痛
  • 耳垂れ

など

治療方法

症状を軽減するために薬を服用したり、腫れがひどい場合には点耳薬を浸透させたりするなどして治療します。また、軟膏を塗布する場合もあります。
治療中は耳かきや綿棒などで外耳道に触れないように注意してください。かゆみが我慢できない場合には、かゆみを和らげる薬を処方します。

耳鳴り

耳鳴りとは

耳鳴りとは、外部から音が入ってきていないのに耳や頭で「ジーン」や「キーン」などの音が聞こえる状態のことを言います。耳鳴りのうち、本人にしか聞くことのできないものを「自覚的耳鳴り」と言い、ストレスや音の伝わる経路のどこかに異常があって起こると考えられています。耳鳴りを訴える方の多くが自覚的耳鳴りです。他人にも聞くことができるものを「他覚的耳鳴り」と言い、耳のまわりの器官の異常によって起こると考えられています。

治療方法

急性の耳鳴りの場合、突発性難聴、急性中耳炎、慢性中耳炎、メニエール病などが原因で起こることがありますので、原因がはっきりしている時にはその疾患に対して治療を行うことで改善できる場合があります。
慢性の耳鳴りの場合、はっきりしないことが多いので、耳鳴りを受容しそれに慣れていく治療が中心となります。

メニエール病

メニエール病とは

内耳にリンパ液が溜まることで回転性の激しいめまいと、どちらか一方にだけ起こる耳鳴り、難聴、耳のつまりなどの症状が同時にそして反復して現れる疾患です。めまい=メニエール病ではなく、回転性のめまいに加えて耳鳴り、難聴、耳のつまりなどの聴覚症状が反復して起こることがポイントで、症状が1回起きただけではメニエール病とは診断されません。

主な症状

  • 回転性の激しいめまい
  • 難聴
  • 耳鳴り
  • 耳のつまり
  • (めまいにともなう)吐き気

など

治療方法

利尿剤を処方して内耳のリンパ液が溜まり過ぎないようにするほか、症状によってはステロイドを使用する場合もあります。また、ストレスや過労、睡眠不足が原因で発症するケースもありますので、生活習慣の改善をアドバイスすることもあります。

良性発作性頭位めまい症

良性発作性頭位めまい症とは

良性発作性頭位めまい症とは内耳にある三半規管の耳石の一部が何らかの要因で剥がれてしまい、頭を動かした時に数十秒程度のめまいが起こる疾患です。吐き気をともなう場合もあります。頭を動かした時に三半規管の中を耳石の一部が動き回ることでめまいが起きますが、安静にしているとやがて収まります。

治療方法

他のめまいの場合、できるだけ頭を動かさずに安静にしている必要がありますが、良性発作性頭位めまい症の場合には、積極的に頭を動かして剥がれた耳石を排出することで改善できる場合があります。ただし、むやみやたらと頭を動かしてはかえって症状が悪化する場合がありますので、医師の指導のもと適切に行うようにしましょう。