鼻中隔湾曲症の治療
鼻中隔湾曲症では一般的に鼻づまり、いびき、眠りが浅くなる、集中力が低下するなどの症状が現れるほか、副鼻腔炎などを合併していると鼻漏(鼻汁が出る)や後鼻漏(鼻汁が喉に回る)などが起こり、進行すると味覚障害を引き起こす場合があります。また、狭くなった鼻の粘膜が常に呼吸によって刺激を受けるので、鼻出血が起こりやすくなります。このように様々な症状が現れる鼻中隔湾曲症ですが、症状が重度の場合には手術を行うことがあります。鼻中隔湾曲症の手術は日帰りで受けて頂くことができます。
鼻中隔湾曲症の手術療法
鼻中隔矯正術
鼻中隔湾曲症の手術療法は「鼻中隔矯正術」と呼ばれるもので、鼻の穴から1cm程度のところを切開し、湾曲した骨や軟骨などを取り除くことで鼻中隔を矯正します。この際、腫れた鼻粘膜を切除する粘膜下下鼻甲介切除術も同時に行います。レーザーによる粘膜焼灼術が必要になる場合もあります。
粘膜下下鼻甲介切除術を同時に行う理由は、鼻中隔が湾曲していると、湾曲している側の鼻腔は狭くなるものの、反対側は広くなってしまうため、人間の体は過度に空気が通らないように広くなった側の鼻甲介を腫らして狭くしようとします。鼻甲介が腫れたまま鼻中隔だけを矯正すると、鼻甲介が腫れた側の鼻腔がますます狭くなってしまうためです。
鼻中隔弯曲症病態
鼻腔形態改善術後
(鼻中隔矯正術+両側下鼻甲介切除術)
鼻中隔矯正術の流れ
1麻酔
通常、鼻中隔矯正術は粘膜下下鼻甲介切除術を同時に行います。まずは局所麻酔とガーゼ麻酔を施して痛みを感じないようにします。
2鼻中隔粘膜切開
鼻中隔粘膜を切開して、湾曲した骨や軟骨など取り除きます。
3手術終了
止血して切開した粘膜を縫合すれば手術は終了です。術後は、鼻呼吸のためのシリコンチューブが入ったスポンジを両側の鼻の穴に詰めて患部を圧迫し出血を防ぎます。